【性教育・多様性理解におすすめ!】ABEMAオリジナルドラマ「17.3 about a sex」

雑記

興味本位で見始めましたがハマって一気見しました。なにより僕自身、かなり勉強になりました。

17.3歳というのは、世界的コンドームメーカーのDurex社が2005年に調査した「全世界の初体験の平均年齢」。
その数字に翻弄されながら、悩み苦しみながら、自分らしさとは何かを探す、高校生の男女を描いたドラマ。

様々な形の性を扱い、「セックスエデュケーション」「ダイバーシティ」など、この複雑な世界で生きていく上で、大切な学びが詰まっていました。
性別によって強制的に与えられる固定観念は間違っており、1人ひとりと向き合うことの大切さを学ばせてもらえるドラマだと感じました。

エンターテイメント性が強いんじゃないかと疑う方もいらっしゃるかとは思いますが、まずは一度見て頂きたい。
それくらいおすすめできるドラマです。

新オリジナルドラマ『17.3 about a sex』

個人的に感銘を受けたポイント

共学における男女差別

僕は、男子中学・高校出身なので、共学における学校生活がどういうものなのか、具体的に知らなかったというのが、まず背景にあります。
その上で、このドラマを見ていて感じたのは、多感な思春期において共学で男女が共に生活するといのは、良くも悪くも男女差別を助長するものだと感じました。

良い意味では、男子校・女子高に比べ、異性間のコミュニケーションが図れることで、コミュニケーション能力の向上に役立つのではないかと思いました。

一方で、悪い意味としては、多感な時期であるからこそ男女を意識し、強制的に性別で分けられることで、一層それぞれの性差を意識してしまうという問題があると感じました。

もちろん、性別による違いを理解することはとても大切なことなのですが、そこには男女それぞれに対し【正しい知識】※1と【コミュニケーション】があった上で理解しなければならないと思いますが、
思春期にそういったコミュニケーションを図るのも難しく、現代においては、インターネットで得た浅い知識で相手を理解したと誤解してしまうことが多いのではないかと感じました。
※1 男女の性別による身体や仕組みの違い、妊娠のリスクはもちろんのこと、社会から自然に求められる男性・女性とはこういうものという役割に対する息苦しさ。そして、ドラマの中にもあるような【女性のマスターベーション】や【コミュニケーションとしてのセックス】への理解も含む。


PRESIDENTに、同様の見解を持つ記事を見つけましたので、ご参考までに記載させて頂きます。

共学校においては「男性は男性らしく、女性は女性らしくあれ」という、既存社会からの暗黙のメッセージが教室に入り込みやすい。
現在の社会にある「男女不平等な既成概念」すなわち「ジェンダー・バイアス」の影響を受けやすい。

しかし、男女別学校にはジェンダー・バイアスが入り込む余地がない。無理に男らしく振る舞う必要も、無理に女らしく振る舞う必要もない。

このことは、卒業後の進路にも影響を与える。イギリスの国立教育調査財団の調査によれば、「女子校では、女性らしい教科や男性らしい教科という固定概念にとらわれにくい」とのこと。
日本でも、多くの女子校で、理系に進む生徒の割合が、世間一般のリケジョの割合よりも多い。

男女別学校においては、男女ともに成績が向上しやすいだけでなく、「ジェンダー・バイアス・フリー」でもあるのだ。

男女別学か共学かの議論は、ジェンダー論だととらえられがちが、実はこの議論を突き詰めていくと「学校にどこまでの機能を求めるのか」という話に行き着く。
もともとは大家族や地域社会が担ってきた、異性とのコミュニケーション能力育成の場としての役割を、学校がそっくりそのまま引き受けるべきなのかどうか。
これは社会が学校に求める機能に関する問題であり、本来ジェンダー論とは別次元の議論されるべき事柄だ。

また、「これからは多様性の時代。同性だけの集団で学ぶことは時代に即さない」という表層的な論理を盾に、男女別学校の存在を否定するような風潮こそ「教育の多様性を損なう」という矛盾も指摘しておきたい。

PRESIDENT online「なぜ東大合格者数上位校は「男子校」「女子校」が多いのか」より抜粋
https://president.jp/articles/-/14866?page=3



多様性の尊重の難しさ

1つ上で、共学が男女差別を冗長しているのではないかということを書かせて頂きました。

しかし、世の中には、このドラマの中でもあるように、男女という2つの分類だけでなく、「アセクシャル」や「バイセクシャル」「ゲイ」「レズ」など、人の数だけ分類があることも事実であり、男女という2つの分類だけでも誤解があるにも関わらず、個々人の違いを尊重し、差別することなく、共に生活することはとても難しく、労力のかかることなのだと改めて感じました。

ドラマの中のセリフでもあるように、改めて自分の理解している世界だけで判断し、批判や否定をすることは間違っている」ということを常に意識しなければならないと感じさせられました。


セックスして良いかダメかは、年齢で決まることではない

これはドラマの中に出てくるセリフですが、確かにと納得しました。
ただ、この本質を理解するためには、以下の前提を理解している必要があると紹介されています。

セックスする上で、最低限理解すべき8つのこと

✅ 自分や相手の身体のことを正しく理解している
✅ 相手を尊敬して対等な関係でいられる
✅ 相手ときちんと話し合うことができる
✅ 避妊と性感染症予防に責任がとれる
✅ 妊娠したらどうするか覚悟ができている
✅ 人のこころや傷つける性行為はしないと誓える
✅ 情報を正しく判断できる
✅ 本当にありのままの自分いられる



まとめ

基本的には、女性目線で進められるドラマではありますが、男女という2つの性別に収まらない多様性への理解というのも、このドラマの主題であると感じています。

世界的にダイバーシティや女性の活躍促進を促すSDGsという目標が掲げられており、そのような世界の中で【自分の感覚を大切にしていいし、抑圧される必要もない】そんなことが、このドラマには、メッセージとして含まれている様に、感じました。

人と違うマイノリティーな個性を自己開示するだけでもかなり勇気のいることだし、それをずっと持ち続けて生きていくことはとても大変なことだとは思いますが、高度成長期のように、人に合わせて幸せになれる世の中でないのも事実であるので、大変かもしれないですが、改めて個性を大切に幸せになれる人生を送ろうと考えさせてくれるドラマでした。

最後に、フルで見るには有料会員登録が必要ですが、14日間は無料で視聴することが可能なので、ぜひ一度登録して観て頂くことをおススメします。

参考情報【フランスにおける性教育の目的】『プレジデントオンライン』2019年7月2日

そもそも性教育とはセックスの仕方を教えるものではない。

早期からの性教育を行うフランスでは、「成人としての人生に備え、平等・寛容・自他の尊重という価値観の基盤を養うのが、性に関する教育である」と定義し、人生におけるリスク削減と予防(若年での望まない妊娠、強制結婚、性感染症など)、性犯罪・性差別・同性愛差別言動への対策、男女平等の促進という3つの観点から性教育は国家政策として取り組まれている。


いかがでしたでしょうか。
少しでも皆さんの参考になる情報提供が出来ていれば嬉しいです。

また、 以下の様な記事も挙げていますので、合わせて閲覧頂けたら嬉しいです!

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