この度、事実婚という形で結婚することを二人で決め、世帯統合や契約書の作成を進めています。
今回は、どうして事実婚という選択に至ったかをまとめてみましたので、紹介させていただきます。
なお検討する上では、内閣府男女共同参画局から出されている「いわゆる事実婚※に関する制度や運用等における取扱い」(下記資料)や、行政書士さんとの相談内容を踏まえました。
内閣府男女共同参画局の資料
いわゆる事実婚※に関する制度や運用等における取扱い
https://www.gender.go.jp/kaigi/kento/Marriage-Family/7th/pdf/6.pdf
検討結果サマリー
私たちは、結婚する意味や目的を、常に考えて、話し合い続けることが重要だと考えています。
ただ、話し合いはとても手間が掛かるので、事実婚を選択する上では覚悟が必要であることは注意が必要です。
また、お互い1人で生きていけるし、1人でも十分楽しいけど、2人だとより人生を充実させることができるので、結婚することを2人で認識合わせしています。
もちろん、手段として法律婚を今後選択する可能性はありますし、法律婚を否定しているわけではありません。
状況に応じて、必要な権利や義務を検討していけば良いと考えているので、最初から法律婚をする必要はないと考えました。
また個人的に、結婚する手段を検討することは、自身が持つ固定観念を壊すという観点で、とても重要だったと感じています。
私はごく一般的なサラリーマン家庭で育ち、男とはこうあるもの、女とはこうあるべきものという固定的な役割を担うべきという考えが無意識の内に、身に付いてしまっていたと思います。
しかし、現代で夫婦が共に生きていくならば、男女が固定の役割を分担するのではなく、お互い対等なパートナーとして、状況に応じて柔軟にそれぞれが持つ役割を変える努力をし続け、支え合う関係を築かなければ、良好な関係を維持することは出来ないと、考えを変えることができました。
内容 | 結婚する目的の認識合わせ | 結婚で求める権利・義務に関する話し合い | 契約内容の自由度・柔軟性 | 結婚するための手間 |
法律婚(入籍) | 不要 (入籍するだけ) | 無し (実施しても反映不可) | 無し | 低い |
事実婚 | 必要 (必要な契約を検討するため) | 必要 | 高い | 高い |
何のために結婚するのかを、常に考え続ける必要があるため
異なる人生を送ってきた2人が共同生活する上で、完ぺきに価値観や考え方を合わせることは不可能だと考えています。
異なる価値観や考え方は、共同生活していく中で、初めてわかるものも多くあると考えており、その度にどちらかが我慢するか、話し合って妥協案を探すかという選択が必要になると考えています。
そういった前提の下、私たちは、常に話し合って解決するという選択をしたので、事実婚を選びました。
その活動を柔軟に進めるためには、契約内容を状況に応じて変更する必要があるため、事実婚である必要があると考えています。
法律婚だと、ほとんどが法律で規定されてしまい、自分たちで契約を結べる範囲(=考えられる範囲)が限定的になってしまうことを懸念したためです。
法律婚(入籍)する必要がないため
みなさんも、日常生活でモノの購入やサービス契約する際に、自分にとって本当に必要か、最適な方法かを色々比較検討した上で、判断されていると思います。私たちは、結婚という行為に対しても、同じ考えを持っており、自分たちの求めるものは何か、最適な形は何かを検討した結果、事実婚を選択することにしました。
また、入籍で得られる権利や義務は、下記2点を除いて事実婚でも得られると考えています。
なお、得られない内容は、現時点で契約書に記載可能な範囲で記載+遺言書を作成で回避しようと思っています。
No. | 入籍のみで利用できる制度 | 内容詳細 | |
1 | 相続税の配偶者控除 | 次の金額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度 (1) 1億6千万円 (2) 配偶者の法定相続分相当額 | |
2 | 離婚時の年金の合意分割制度 | 当事者の一方または双方からの請求により、婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を当事者間で分割することができる制度 ※3号分割制度(国民年金の第3号被保険者である場合)は、事実婚でも利用可能 |
パッケージよりも、カスタマイズ(柔軟性)を重視
私たちは、法律婚(入籍)と事実婚を、旅行に例えて、以下のように捉えています。
旅行に行く際、旅の目的や個人の嗜好によって、どちらを選択するか決めると思いますので、どちらが正しいといったことはないと考えており、置かれた状況などによっても取るべき手段は変わると考えています。
内容 | 旅行に例えた場合 | 結婚における |
法律婚(入籍) | パッケージ旅行 行程や各種予約、案内は旅行会社で行われ、旅行者は基本付いていくだけ。 旅行会社が面倒を担ってくれるので、失敗しにくい。 旅行先でのリスクを自分で考える必要がない。 | 日本(国)が、結婚のために必要な法律を整備してくれている。 なので、入籍するだけで、日本(国)が準備したものを利用可能。 結婚生活で発生する問題も、準備された内容に従って解決可能。 |
事実婚 | 自身ですべての予約や計画を立てる個人旅行 行程などすべて自身で計画して、すべて自分で手配する必要がある。 行程におけるリスクも自分の頭で考えて解決する必要がある。 ただ、行程は柔軟に変更することができ、得たい経験を得るための行動が可能。 | 個々人の状況に合わせて、必要な契約内容を決め、契約締結可能。(私署証書) 内容に制限はあるが、公正証書でも契約可能(公証人の承認を経るので証拠力が高い) また、世帯統合することで、入籍で得られる権利や義務を発生させることも可能 上記のように、状況の変化に応じて、必要な対応を考える必要があり、何のために結婚しているのかを常に考える必要がある。 |
コメント